Skip to content

Commit

Permalink
段落内での改行を削除する
Browse files Browse the repository at this point in the history
  • Loading branch information
Seasawher committed Sep 10, 2023
1 parent fc9d4eb commit 820f5cd
Show file tree
Hide file tree
Showing 8 changed files with 35 additions and 199 deletions.
4 changes: 3 additions & 1 deletion .vscode/settings.json
Original file line number Diff line number Diff line change
@@ -1,3 +1,5 @@
{
"editor.rulers": [100]
"editor.wordWrap": "on",
"files.trimTrailingWhitespace": true,
"files.insertFinalNewline": true,
}
35 changes: 5 additions & 30 deletions src/c1_introduction.md
Original file line number Diff line number Diff line change
Expand Up @@ -2,26 +2,19 @@

<!-- What is maths? I think it can basically be classified into four types of thing. There are definitions, true/false statements, proofs, and ideas. -->

数学とは何でしょうか?数学は基本的に4つのタイプに分類できると思います.
定義,命題,証明,そしてアイデアです.
数学とは何でしょうか?数学は基本的に4つのタイプに分類できると思います.定義,命題,証明,そしてアイデアです.

<!-- **Definitions** (for example the real numbers, or $\pi$) and **true/false statements** (for example the statement of Fermat’s Last Theorem or the statement of the Riemann Hypothesis) are part of the science of mathematics: these are black and white things which have a completely rigorous meaning within some foundational system. -->

**定義** (たとえば実数や $\pi$) や**命題** (たとえばフェルマーの最終定理やリーマン仮説のステートメント)
は数学の科学の一部です:こういったものは,ある基礎的なシステムの中で完全に厳密な意味を持ち,
白黒はっきりしています.
**定義** (たとえば実数や $\pi$) や**命題** (たとえばフェルマーの最終定理やリーマン仮説のステートメント) は数学の科学の一部です:こういったものは,ある基礎的なシステムの中で完全に厳密な意味を持ち,白黒はっきりしています.

<!-- **Proofs** are in some sense the currency of mathematics: proofs win prizes. Constructing them is an art, checking them is a science. This explains, very simply, why computer proof verification systems such as Lean, Coq, Isabelle/HOL, Agda… are much better at checking proofs than constructing them. -->

**証明**はある意味で数学の通貨だといえます:証明は賞で報いられます.証明の構築は芸術であり,
証明の検証は科学です.このことは,Lean, Coq, Isabelle/HOL, Agda
などのコンピュータ証明検証システムが,証明を構築するよりもチェックすることをはるかに得意とする理由を,
とても簡単に説明しています.
**証明**はある意味で数学の通貨だといえます:証明は賞で報いられます.証明の構築は芸術であり,証明の検証は科学です.このことは,Lean, Coq, Isabelle/HOL, Agda などのコンピュータ証明検証システムが,証明を構築するよりもチェックすることをはるかに得意とする理由を,とても簡単に説明しています.

<!-- And **ideas** are the purely artistic part of mathematics. That “lightbulb” moment, the insight which enables you to solve a problem — this is the elusive mathematical idea. -->

そして**アイデア**は,数学の純粋に芸術的な部分です.「閃き」の瞬間,問題解決を可能にする洞察力,
これこそが数学のとらえどころのないアイデアなのです.
そして**アイデア**は,数学の純粋に芸術的な部分です.「閃き」の瞬間,問題解決を可能にする洞察力,これこそが数学のとらえどころのないアイデアなのです.

<!-- Ideas are the part of mathematics that I understand the least, in a formal sense. Here are two questions: -->

Expand All @@ -34,22 +27,4 @@

<!-- The first one is a precise “scientific” question. A group is a set equipped with some extra structure, and which satisfies some axioms. The formal answer is on [Wikipedia’s page on groups](https://en.wikipedia.org/wiki/Group_(mathematics)#Definition). A group is a definition. But the second question is a different kind of question. Different people think about groups in different ways. Say $G$ is a group generated by an element x satisfying $x^5=x^8=1$. What can you say about $G$? If you are a mathematics undergraduate who has just seen the formal definition of a group, you can probably say nothing. If you have a more mature understanding of group theory, you instantly know that this group is trivial, because you have a far more sophisticated model of what is going on. Ideas are complicated, and human-dependent. A computer’s idea of what a group is, is literally a copy of the definition in Wikipedia, and this is one of the reasons that computers are currently bad at proving new theorems by themselves. You can develop a computer’s intuition by teaching it theorems about groups, or teaching it examples of groups, or trying to write AI’s which figure out group theory theorems or examples of groups automatically. But intuition is a very subtle thing, and I do not understand it at all well, so I will say no more about these ideas here. I think that the concept of a map being “canonical” is an idea rather than a definition — I think different mathematicians have different ways of thinking about this weasel word. In this post I’m going to talk about how the three other concepts are implemented in type theory, in the Lean theorem prover. -->

最初のものは正確な「科学的な」質問です.群とは,ある特別な構造を持ち,ある公理を満たす集合のことです.
正式な答えは [Wikipediaの群についてのページ](https://en.wikipedia.org/wiki/Group_(mathematics)#Definition)
にあります.群とは定義です.しかし,2つめの質問は種類の異なる質問です.
群について考える方法は人によって異なります.
$G$ が $x^5=x^8=1$ を満たす要素 $x$ によって生成される群だとします.$G$ について何が言えるでしょうか?
もしあなたが数学の学部生で,群の形式的な定義を見たばかりなら,おそらく何も言えないでしょう.
群論をより深く理解している人なら,即座にこの群が自明であることがわかるでしょう.
何が起こっているのかについて,はるかに洗練されたモデルを有しているからです.
アイデアは複雑で,人によって異なるものです.
「群とは何であるか」という問いについてのコンピュータの理解は,文字通りウィキペディアの定義のコピーです.
現在コンピュータは新しい定理を自力で証明することを苦手としていますが,その理由のひとつがこれです.
コンピュータに群に関する定理を教えたり,群の例を教えたり,群論の定理や群の例を自動的に理解する AI
を作ったりすることで,コンピュータの直感を発達させることができます.
しかし直感というのはとても微妙なもので,私にはまったく理解できないので,
ここではこういったアイデアについてはこれ以上語らないことにします.
写像が canonical (正準) であるという概念は,定義というよりむしろアイデアだと思います.
数学者によって,このイタチごっこのような言葉に対する考え方は違ってくるでしょう.
この記事では,他の3つの概念 (定義,命題,証明) が型理論や Lean theorem prover
でどのように実装されているかについてお話しようと思います.
最初のものは正確な「科学的な」質問です.群とは,ある特別な構造を持ち,ある公理を満たす集合のことです.正式な答えは [Wikipediaの群についてのページ](https://en.wikipedia.org/wiki/Group_(mathematics)#Definition)にあります.群とは定義です.しかし,2つめの質問は種類の異なる質問です.群について考える方法は人によって異なります.$G$ が $x^5=x^8=1$ を満たす要素 $x$ によって生成される群だとします.$G$ について何が言えるでしょうか?もしあなたが数学の学部生で,群の形式的な定義を見たばかりなら,おそらく何も言えないでしょう.群論をより深く理解している人なら,即座にこの群が自明であることがわかるでしょう.何が起こっているのかについて,はるかに洗練されたモデルを有しているからです.アイデアは複雑で,人によって異なるものです.「群とは何であるか」という問いについてのコンピュータの理解は,文字通りウィキペディアの定義のコピーです.現在コンピュータは新しい定理を自力で証明することを苦手としていますが,その理由のひとつがこれです.コンピュータに群に関する定理を教えたり,群の例を教えたり,群論の定理や群の例を自動的に理解する AI を作ったりすることで,コンピュータの直感を発達させることができます.しかし直感というのはとても微妙なもので,私にはまったく理解できないので,ここではこういったアイデアについてはこれ以上語らないことにします.写像が canonical (正準) であるという概念は,定義というよりむしろアイデアだと思います.数学者によって,このイタチごっこのような言葉に対する考え方は違ってくるでしょう.この記事では,他の3つの概念 (定義,命題,証明) が型理論や Lean theorem proverでどのように実装されているかについてお話しようと思います.
19 changes: 3 additions & 16 deletions src/c2_definitions_statements_proofs.md
Original file line number Diff line number Diff line change
Expand Up @@ -3,25 +3,12 @@

<!-- In contrast to ideas, the other parts of mathematics (the definitions, theorems/conjectures, and proofs) can be formalised in a foundational system, and hence can be created and stored on a computer in a precise way. By this, I don’t mean a pdf file! Pdf files are exactly what I want to move away from! I mean that people have designed computer programming languages which understand one of the various foundations of mathematics (set theory, type theory, category theory) and then mathematicians can write code in this language which represents the definition, true/false statement or proof in question. -->

アイデアとは対照的に,数学の他の部分(定義,定理/予想, 証明)は基礎的なシステムで形式化することができ,
したがって精確な方法でコンピュータ上に作成・保存することができます.
これは pdf ファイルのことではありません!pdf ファイルこそ,私が脱却したいものなのです!
つまり,様々ある数学の基礎付け(集合論,型理論,圏論)のうち
1つを理解するコンピュータプログラミング言語が設計されており,その言語で数学者が問題の定義,命題,
証明を書くことができるということです.
アイデアとは対照的に,数学の他の部分(定義,定理/予想, 証明)は基礎的なシステムで形式化することができ,したがって精確な方法でコンピュータ上に作成・保存することができます.これは pdf ファイルのことではありません!pdf ファイルこそ,私が脱却したいものなのです!つまり,様々ある数学の基礎付け(集合論,型理論,圏論)のうち1つを理解するコンピュータプログラミング言語が設計されており,その言語で数学者が問題の定義,命題,証明を書くことができるということです.

<!-- I am certainly not qualified to explain how all this works in category theory. In set theory, let me just make one observation. A definition in set theory, for example the definition of the real numbers, or $\pi$, is a set. And a proof is a sequence of steps in *logic*. A definition and a proof seem to me to be two completely different things in set theory. A group is a mixture of these things — a group is an ordered quadruple $(G,m,i,e)$ satisfying some axioms, so it’s a set with some logic attached. -->

私には,圏論でどのように数学の基礎付けを行うのかを説明する資格はありません.
集合論について,ひとつだけ観察してみましょう.集合論における定義,たとえば実数や $\pi$ の定義は集合です.
そして証明とは,論理のステップをつなげたものです.集合論において,
定義と証明は全く異なるもののように私には思えます.群とは,定義と証明の混合物です.――
群とは,順序付き4つ組 $(G,m,i,e)$ であって,
特定の公理を満たすもののことです.つまり,論理が付属した集合です.
私には,圏論でどのように数学の基礎付けを行うのかを説明する資格はありません.集合論について,ひとつだけ観察してみましょう.集合論における定義,たとえば実数や $\pi$ の定義は集合です.そして証明とは,論理のステップをつなげたものです.集合論において,定義と証明は全く異なるもののように私には思えます.群とは,定義と証明の混合物です.―― 群とは,順序付き4つ組 $(G,m,i,e)$ であって,特定の公理を満たすもののことです.つまり,論理が付属した集合です.

<!-- In type theory however, things are surprisingly different. All three things — definitions, true/false statements, and proofs — are *all the same kind of thing*! They are all **terms**. A group, a proof, the real numbers — they are all terms. This unification of definitions and proofs — of sets and logic — are what seems to make type theory a practical foundational system for teaching all undergraduate level mathematics to computers. -->

しかし,型理論では驚くほど違います.今挙げた3つのもの ―― 定義,命題,証明 ――
はすべて同じ種類のものです!これらはすべて****です.群,証明,実数 ―― これらもすべて項です.
定義と証明の統一,つまり集合と論理の統一が,型理論を実用的な基礎システムたらしめ,
コンピュータに学部レベルのすべての数学を教えることを可能にしています.
しかし,型理論では驚くほど違います.今挙げた3つのもの ―― 定義,命題,証明 ―― はすべて同じ種類のものです!これらはすべて****です.群,証明,実数 ―― これらもすべて項です.定義と証明の統一,つまり集合と論理の統一が,型理論を実用的な基礎システムたらしめ,コンピュータに学部レベルのすべての数学を教えることを可能にしています.
Loading

0 comments on commit 820f5cd

Please sign in to comment.